カイゼンガイド

悪天候に強い水位計はどっち?電波式と超音波式の比較実験レポート



はじめに

近年、多発している集中豪雨や大型台風の接近に伴い河川水位の監視(特に増水時)は益々重要になりました。河川の監視の水位計には流木による破損の心配がない非接触式水位計が注目を浴びています。
しかし、非接触式水位計は暴風雨の影響を懸念されるお客様の声もしばしばあります。
そこでマツシマメジャテックは非接触式水位計で一般的に採用されている【電波式水位計】と【超音波式水位計】を比較検証する運びとなりました。



実験概要


水位計から発信した電波・超音波は水面に反射し再び水位計に戻るため、発信から受信するまでの時間を計測して距離に換算しています。
しかし、集中豪雨や台風の際は、電波・超音波が計測中に風や雨の影響を受け減衰し、反射波が得られなくなる可能性が懸念されます。
そのため、電波や超音波の反射の強さ(S-N比*¹)が風や雨の影響によりどのように変化したのかを検証し判定します。

*¹S-N比とは反射強度からノイズ強度を差し引いたものです。
10dB以上(当社規定値)が理想となります。



製品仕様


電波式水位計
型式:MWLM-PR26H7FR


超音波式水位計
型式:USLM-PE92F  ※現在は製造を終了した製品です。



電波式*¹

計測方式*¹

超音波式*¹

電波

計測に使う波動

超音波

電磁界振動

伝搬媒体 空気

 0.75m~20m

最大計測レンジ*²   0.6m~10m  

約26GHz

発信周波数*² 約30KHz

8deg

放射角*³ 11deg

 


*1 いずれも弊社の水位計です。メーカにより信号処理方法等が異なるため、データは参考値としてください。
*2 無風、舞塵のない空間で、金属板を対象とした場合の計測距離です。
*3 放射した波動エネルギーのうち50%が集中する部分を指します



風洞実験


暴風環境での計測を想定した風洞実験を実施します。専用の装置で風速を段階的に上げ、反射の強さ(S-N比)がどの様に変化したか比較・検証します。




電波式:実際の風洞実験風景写真(風速40m/s時)



超音波式:実際の風洞実験風景写真(風速40m/s時)


散水実験


台風など、悪天候での計測を想定した実験を行います。
右記の写真は実際の実験時のものです。
悪天候下の暴風雨や濁流を再現するため、散水機で大雨(降雨量110mm/h)、コンプレッサエアーで暴風(風速20m/s)を、計測面を攪拌し波立ちを再現し、それぞれ反射の強度(S-N比)がどのように変化したのかを比較・検証します。



 



> PDF ダウンロード


実験・検証結果は上記をダウンロードしてご覧になれます。


 

 

国内で初めて、当社の水位計がNETISに登録されました。

詳細は下記のボタンからご覧になれます。

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  電波式水位計 NETIS登録のお知らせ  


 
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