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トラッキング現象とは?火災発生の原因と防止するための対策方法



トラッキング現象とは、コンセントと電源プラグの隙間に溜まった埃が、空気中の湿気を吸収して次第に電気を通しやすい状態になり、最後はショートし発火する現象のことを言います。


トラッキング現象の原因と火災発生のメカニズムについて


家電などの電源プラグをコンセントに挿しっぱなしにしておくと、トラッキング現象で火災に発展する可能性があります。そのメカニズムは次の通りです。



①電源プラグとコンセントの間が緩み隙間ができる。
②すき間に埃が溜まる。
③埃は空気中の湿気で電気を通しやすい状態に変化。
④電源プラグの電極が蓄積した埃に触れて放電が起こり発熱。
⑤これが繰り返されると埃は炭化し完全な導電帯となり、突然電極間がショート(短絡)し発火。

更に、近くに燃えやすいものがあるとそれに引火し火災へと発展します。
尚、この炭化して電気を通しやすくなった電気の通り道を「トラック」ということからトラッキング現象と呼ばれています。

トラッキング現象について分かりやすい動画がありますのでご覧ください。
リンク先:独立行政法人 製品評価技術基盤機構殿
     電源プラグ「1.トラッキング現象で発火」



総務省消防庁のサイトではトラッキング現象を分かりやすく動画で解説しています。参考にしてください。
https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/ippan/cat1/cat7/post-344.html

どれくらいの埃でトラッキング現象が発生するのか



埃が溜まっていてもコンセントの差し込みにすき間が無ければ、電源プラグが埃と接触することはないのでトラッキング現象は起きません。

長年の利用で電源プラグが緩みコンセントとの間に隙間ができると次第に電源プラグの二極間を繋ぐように埃が溜まります。
こうなると後は埃が湿気を帯びるタイミングだけです。
じめじめした梅雨や夏、結露が発生する場所などで湿気を帯びやすくなり放電が始まるのです。
そのため、プラグ間を繋ぐように埃が溜まっていたら危険サインです。
埃が電極間を繋ぐように溜まっていたらすぐに清掃しましょう。
特に古い建物では長年コンセントに電源プラグを挿しっぱなしにして差し込みが甘くなったっているところが多いのではないでしょうか。そこに埃がたまり、湿気を帯びることで電気を通しやすくなりトラッキング現象が発生します。近くにカーペットや、カーテンなどがあるとそれに燃え移り火災へと発展していきます。
できれば電源プラグのゆるみに気が付けばすぐに戻すことが何より安全です。


トラッキング現象が発生しやすい時期と場所


① 湿気の多い梅雨時期



溜まった埃が空気中から湿気を吸収しやすい環境です。


② 結露が発生しやすい寒い時期


冬場は結露しやすい時期です。特に窓際、壁際で室内と外との温度差で発生します。
結露の場合、埃が無くても電極プラグ間に水滴が流れ込んだ時点で、一気にショートしてしまいます。

③ 家具や冷蔵庫の裏など、埃が溜まりやすい場所



家電はいったん使い始めるとコンセントを挿しっぱなしにしていることがほとんどではないでしょうか。
そのコンセントは家電や家具に隠れ狭い空間が形成され長く手がつかない状態で埃が溜まりやすくなります。
そこに梅雨や結露の発生しやすい場所が重なるとトラッキング現象に発展する恐れがあります。

④ 結露が発生したり、水滴がかかったりしやすい洗面所や台所、水槽、ペットのそば



洗面所や台所などの水回りは、時期に関係なく生活で利用する水滴がコンセントにかかる可能性がありトラッキング現象発生の可能性はあります。

⑤ たこ足配線



たこ足配線はそのコンセントの数の分だけ電源プラグとの接点数が増えることからトラキング現象になる確率が上がります。
また、それだけでなくコンセントの重みで緩みやすく隙間に埃が溜まりやすい状態が作られやすくなります。


⑥ 工場の電気室やサーバールーム



工場の電気室にある電気機器でもトラキング現象があります。
工場は様々な生産を担う装置や機械が稼働し、それに電源を供給したり制御する盤が存在し電気室に纏められ格納されています。長年これを利用していると、盤内に埃が蓄積していきます。
電源ケーブル端子や基板などに蓄積した埃が湿度を帯びてくると火花放電を繰り返し最終的には炭化してショート(短絡)します。(トラッキング現象)
可燃性のものが近くにあると電気機器の故障だけでなく火災へとつながることもあります。


電気室やサーバールームの火災に関する記事にご興味のある方はこちらの記事をご覧ください。


< 業界マメ知識 >
    電気室の火災を防ぐ空調・換気対策   

< 業界マメ知識 >
  サーバールームの空間の汚れが災害を招く!


トラッキング現象を防止する方法


定期的に電源プラグを抜き、乾いた布でほこりを取り除く


使わないコンセントを塞ぐ


利用していないコンセントの差込口はコンセントカバー(キャップ)で塞ぎ埃などの侵入を防ぎましょう。

トラッキング現象防止機能が付いた電源プラグやタップに変更する


電極プラグに安全プラグカバーが付いたものや後付けできるものがあります。
また、コンセントそのものにプラグを挿さない場合はコンセントそのものに埃侵入防止の蓋がついているものもありますのでいちいち蓋をするのが面倒という方はこのようなコンセントを利用されるのも良いでしょう。

古いタップは使わない


プラグのタップは消耗品です。変質・変色していたら取り替えてください。

放電検出ユニットを使用する


コンセントだけでなく壁の内側配線など目視出来ない場所で起こる火花放電を検出することができる装置です。

埃の侵入を防止する。


埃の侵入を防止することができれば、トラッキング現象が発生する確率は減ります。工場の電気室などでは盤にフィルターを設けることで埃の侵入を防止できます。


経済産業省ではトラッキング現象の対策を細かくまとめている資料があります。参考にしてみてください。
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku/gijutsukijunkaishaku/presentation_150116.pdf

侵入する埃の濃度を監視できれば更に万全に!


せっかくフィルターを取り付けても、フィルターの劣化や取り付け不備で粉塵が侵入することがあります。知らないうちに埃が堆積している可能性があります。
そこで盤内の粉塵濃度の連続監視のご提案です。
盤内に漂う浮遊微小粒子を常時観察できれば粉塵の侵入にいち早く気づくことができます。
そして次のようなメリットがあります。

・大事に至る前に対策を打つことがでる

・早期発見なので清掃の手間がかからない

施策後の効果の確認ができる

浮遊微小粒子の監視は埃や粉塵によるトラッキング現象の回避に繋がります


マツシマメジャテックではこのように空間の浮遊微小粒子を連続監視するセンサ『エアパーティクルモニタ』を取り扱っています。 気になる方はこちらのサイトもご覧ください。




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