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水害対策にも役立つ水位計用途例10選



あなたは「水位計ってどんな機器?」 と聞かれると、「水位を計測するための機械・装置」と思われる方がほとんどだと思います。たしかに、性能・機能だけをみれば水位を計測するための装置であることに間違いはありません。
しかしなんのために水位を計測するのか? しなければならないのか? その背景について知ることで、水位計への理解がより一層深まるのではないかと思っています。

本記事では、私たちマツシマメジャテックの水位計が身の回りのどの様な場所で活躍しているのか、写真やイラストを交えながら10の用途例を紹介しています。


水位計ってなに? という方は、右記リンクより水位計の原理や種類とその特徴について解説しています。ぜひご覧ください。

  > 水位計の種類・原理・特長について


水位計が活躍している場所 早見図



防災に関わる用途例


河川

ダム

砂防

調整池

樋門

験潮所


産業や生活に関わる用途例


工場

水処理施設

ため池

農業用水路


※ご覧になりたい用途例をクリックするとジャンプできます。


水位計の用途例10選


 

■河川

 


日本には約3万を超える河川が存在しており、そのうち国が指定している1級河川は14,066*1 もの数あります。1級河川とは、私たちの暮らしを守り、様々な産業の発展のために欠かせない国が管理している河川のことです。これらは、私達が暮らしている街の中や近くを流れていることがほとんどのため、防波堤などのしっかりとした水害対策が施されています。

しかし近年の大型化した台風や予測が難しい線状降水帯などの異常気象により、常識とはかけ離れた量の降雨で河川が氾濫してしまうと、人命に関わる甚大な被害を及ぼしかねません。

河川の水位を適切に監視することで、いち早い避難指示の発表など、被害を最小限に食い止めることに繋がります。そのため、悪天候でもしっかりと計測できることはもちろん、流木やゴミ等の漂流物の衝突による機器の破損や故障、機器そのものが流されてしまうといった事態は極力あってはならないのです。
水位計は、「水害から私達の命を守っている計測機器」と言っても過言ではありません。

*1… 令和2年4月30日現在のデータ 国土交通省資料より参照



 

■ダム

 


ダムには、大雨時の川の氾濫などの水害対策や、逆に川が枯れてしまわないように水を排水して調整するなどの「治水」としての役割と、ダムの水を畑や工場などの生産活動に利用したり、私たちの暮らしに欠かせない生活用水の水源になるなど、「利水」としての役割もあります。その他にも、川の水の量を保つことで地域の生態系の維持や、再生可能エネルギーとして注目されている水力発電としての機能など、私たちの暮らしと密接な関わりを持っています。


現在、日本にはおおよそ3,000ものダムがあると言われています。そのダムの種類や用途は様々ですが、全てのダムに共通して言えるのが、これらの役割を果たすためには貯水している水の量を正確に把握しておかなければならないということです。貯水量を知ることでダムの安全な維持管理を行うことができ、従来の役割である地域の水害対策などの防災はもちろん、水を無駄なく計画的に利用することができるのです。
また、ダムだけでなく下流域の川の水位と照らし合わせることで水の流動・流量を把握することができます。様々な天候に合わせ、放流量の調整や水害の危険性の有無などに役立っています。



 

■砂防

 


大雨が降ると懸念される災害の一つに、土砂災害が挙げられます。土砂災害には、がけ崩れや土石流、地すべりの3種類があり、地震や大雨で地盤がぬかるむことによって発生します。近年、ニュースで毎年のように土砂災害によって多くの人命が失われ、家屋や公共施設などの財産が破壊されている映像を見る機会が増えたように思います。


国土の約7割を山地が占める日本では火山も多く、台地や傾斜地、扇状地が生活基盤や産業活動の場として利用されています。このような場を災害から守るため、日本では昔から砂防と呼ばれる技術が発達してきました。

砂防は、防災の目的ごとに数種類のタイプが存在しますが、水位計が活躍するのは砂防ダムです。砂防ダムは上流からの土砂や土石流をせき止める役割があります。溜まった土砂は時間を掛けて少しずつ流されるため、下流域への急激な土砂の流出を抑えるなどの水害対策を行うことができます。水位計で監視することで、災害の発生の有無や状況確認、避難指示の判断材料などに役立ちます。



 

■調整池

 


調整池とは、集中豪雨や台風などにより、河川の流下能力を超え、氾濫・洪水する危険性のある場合、河川に流れる前に一時的に雨水などを貯め留める機能を持った施設や湖、池のことを指します。日本国内で最も有名な施設は、埼玉県にある「首都圏外郭放水路」です。別名「地下神殿」とも呼ばれるこの施設は利根川水系や首都圏の洪水の危険性を軽減するため、水害対策の一環として建設された治水施設です。

このように、調節池はダム同様、防災施設としての役割を担っています。人命が関わる災害に発展する可能性があるため、水位計によるしっかりとした水位監視を行い、貯水の状況把握を行うことで迅速な対策や防災計画の実施が可能となるのです。




 

■樋門

 


樋門とは農業用や工場用などの産業用に河川から水を取水したり、堤防内の水を河川に排水する機能を持った施設を指します。堤防内に設置された水路と樋門で河川と用水路をつないでいるため、河川の水位が大雨などにより上昇した場合、堤防内への逆流を樋門を閉めることで防止しています。水位計を用いて水位を計測し監視することで、通常時は地域の発展のため、悪天候時は地域の水害対策など、防災のために役立っています。近年、労働者不足や後継者問題により、樋門ゲートの自動開閉化が進められています。




 

■験潮(検潮)所(場)

 


験潮所とは、水位計などを用いて潮位を連続計測する施設です。海水面は絶え間なく変動しているため、基準となる海水面を割り出すため長期間計測することにより平均海水面を算出し、基準値としています。また、定期的に水準測量と平均海水面を比較することで、水準点の高さ変動が分かることから、地盤変動や地殻の上下活動の把握に役立てられています。
験潮所は、測量法施行規則により、井戸及び導水管、観測室(験潮儀室)、コンピュータ室から構成されており、設置機関により、呼称・名称が定められています。

●「験潮場」…国土地理院 ●「験潮所」…海上保安庁 ●「検潮所」…気象庁



 

■工場

 


工場内で水位計が活用するシーンは様々ですが、いくつかご紹介します。
1つ目は液体タンクや貯蔵設備でのレベル計測です。密閉空間であるタンク内はもちろん、電波法に抵触しない微弱無線適合製品であれば開放空間での液体計測も可能となります。
2つ目は取水や排水及び水路での水位計測です。取水設備や排水設備、水路に取り付けることで、設備の水位を監視します。
3つ目は雨水ピットの水位計測です。その他にも工場敷地内の水路や側溝の水位を計測することで、集中豪雨などによる工場内への浸水被害の前に土嚢の積み上げや設備・製品の棚上げ、排水設備の稼働などによる水害対策を講じることができます。




 

■水処理施設

 


私達の暮らしの中で「蛇口を捻れば水が出る」ということは、もはや誰もが当たり前に思っていることと思います。これらの水は、河川や地下水を生活用水や産業用水として利用しているからに他なりません。利用した水は下水道を通して水処理施設へと運ばれ、再び河川や海に戻されます。

水処理とは、水の中から不純物などを取り除く作業のことです。生活用水の場合、見た目の清浄さはもちろん、生物の健康に害を与えない水質まで処理されます。産業用水の場合は法律により汚染の程度や、放流先の基準に合わせ浄化処理を行い、自然環境への負荷を少なくして放流することが義務付けられています。

このように私達が生活する上でなくてはならない水処理設備ですが、一般的に下水処理場が挙げられます。
街中に張り巡らされた下水管とポンプ場を経て下水処理施設まで運ばれます。沈砂池や沈殿池、活性汚泥による浄化を行い高度処理、消毒というプロセスを経て河川に戻されます。この各処理工程の中にも水位計が活用されています。ポンプ場や沈砂池、沈殿池などでの水位監視、薬液タンク内の貯蔵レベル監視などが挙げられます。




 

■ため池

 


ため池とは、万年を通して農業用水を確保するために作られたもので、取水設備を備えた人工池のことです。中には自然の池や沼に改築を施したものもあります。江戸時代以前から現存するものが多く、日本国内には約20万箇所ものため池があると言われています。
また、増改築で貯水量を増やすことで生活用水として利用したり、調整池の様な水害対策用に一時的に雨水を貯水するなど防災的な要素も兼ね備えており、その価値が見直されつつあります。
水位計はため池の水位を把握する目的で導入されることがあり、正確な貯水量を知ることで計画的な利用はもちろん、調整池のような防災時に役立てられています。



ところが、近年の異常気象による集中豪雨や台風、地震による施設の決壊や老朽化により、逆に水害をもたらしてしまうケースや、転落や水難事故等が見受けられたため、農林水産省は全国のため池の一斉点検を実施しました。その結果新たに安全柵を設けることや注意看板の掲示、ブイの設置など安全対策が見直されました。


 

■農業用水路

 


農業用水路とは、農作物の育成に必要な水を田畑に引くために作られた用水路のことです。日本では、弥生時代の遺跡から水路の跡と思われる堆積物が見つかっており、灌漑用水路として使われていたとされ、稲作文化とともに農業用水として伝来したと推定されています。
現存する国内最古の農業用水路として、福岡県那珂川町にある、平安時代末に作られたとされる「裂田の溝」があります。千数百年前に作られた水路が時代とともに幾度も改築を受けていたことが分かっており、いまなお地域を支え続けています。

農業には欠かせない用水路の水位を監視することで、田畑への水の流入や排水の管理が可能となります。また、集中豪雨や台風などの悪天候時にも水路の状況が分かるため、畑や周辺の安全監視など水害対策としての役割も担っています。



まとめ


水位計とは水位を計測するための計測機器です。水位を計測監視し、農業や工業などの産業の安定生産に寄与することで、私たちの暮らしの維持や発展に貢献しています。さらに、環境の測定や調査などに加え、水害対策などの防災的要素も兼ね備えており、地域の安全はもちろん、そこに暮らす人々の暮らしや笑顔を24時間休むことなく見守っているのです。


 
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