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水位計の種類・原理・特長


水位計の種類

水位計とは


水位とは、ある基準面からの水面の高さ(レベル)を計測します。水位計とは水位を計測する計測機器(センサ)になります。河川、ダム、潮位、工場、農業用水、調整池、樋門、水処理施設、溜池、砂防等の水位を把握することを目的として監視・観測が行われています。また水位計は危機管理型水位計としても使用されており、水位観測所で定めているはん濫危険水位やはん濫注意水位も、基準面からの高さ(レベル)を基準に計測・監視しています。

水位計として使用されるセンサの種類は大きく接触式と非接触式に分かれ、接触式はフロート式・ガイドロープ式・静電容量式・圧力式・電極式等があり、非接触式は電波式・超音波式があります。


水位計の用途は?


水位計の用途

【水位計の用途】

水位を計測することが必要なのは河川・海・ダム・貯水池・用水路・タンク・プールなど大きな場所での水(水面)の位置(高さ)を計るのに水位計は使用されます。


 
水位計の種類


1.電波式水位計


原理

電波式水位計は非接触式レベル計です。マイクロ波レベル計とも言われます。
センサから発信したマイクロ波パルスが測定物から反射してセンサに戻るまでの時間を計測し空尺距離に換算します。

特長

  • 温度やガスの影響を受けません。
  • 電波は透過性があるため、粉塵や蒸気の影響を受けにくいです。
  • 電波は蒸気のような小さな粒の影響を受け難い性質があります。
  • 空気振動を伝搬原理としないため、風の影響を受けずに計測できます。

短所

  • 比誘電率の低い測定物は反射波が弱く透過して計測できない場合があります。
  • 蒸気はタンク天井で結露となって影響を及ぼすことがあります。特に内圧が高い場合、結露は水滴ではなく水膜となります。電波は水膜を透過できず計測できません。その様な場合は、エアパージが有効です。

電波式水位計 原理


 


お知らせ



国内で初めて、当社の水位計がNETISに登録されました。詳細は下記ボタンからご覧になれます。

< 新着情報 >
NETIS登録のお知らせ



 

水位計測における開放空間での利用が可能 電波式水位計 

水位計とは河川、ダム、潮位、工場、農業用水、調整池、
樋門、水処理施設の水位を連続的に計測するレベル計
(センサ)です。
河川では危機管理に利用され人々の危険予知に貢献します。

 

 

 

 


2.超音波レベル計


超音波式

原理

超音波を使った非接触式レベル計です。
超音波式レベル計は、センサから超音波パルスが発信され測定物から反射してセンサに戻るまでの時間を計測し空尺距離に換算します。

特長

  • 比較的安価に非接触でレベル計測ができます。

短所

  • 粉塵・蒸気・ガスが発生していると空気振動を妨害し超音波を減衰させるため、指示飛びや指示のふらつきなどの現象に繋がります。粉塵や蒸気で視界が悪く液面が見えない様な環境下では超音波の利用はお勧めしません。
  • 蒸気は発信面への結露も発生させ、不要な反射の発生や反射波の減衰に繋がり、指示飛びや指示のふらつきなどの原因となります。
  • 測定エリア内で温度ギャップやガスなどの発生があると音速が変化し誤差が生じます。

超音波式 原理

3.フロート式レベル計


原理

フロート式レベル計は、ステンレステープに吊るしたフロートを液面に浮かべ、液位のレベル変動に追従させています。テープの長さを常に計測することで空尺距離を計測しています。
フロートスプリングバランス式、シールパイプ式、カウンターウエイト式があります。

特長

  • 構造が簡単で、精度、耐久性の面から大小タンクの液面検出に広く利用されます。

短所

  • 付着の影響を受けます。液中に汚れや浮遊物があると次第に可動部に付着や固着を引き起こし、フロートの可動を妨げ、誤検出や検出不可につながります。例えば投入制御などに使用していた場合、フロートが動かないことから液位を認識できず、オーバーフローを引き起こしてしまう危険があります。薬液タンクなどの場合、空気に触れている部分で結晶化が発生し、同様の事象に陥る場合があります。
  • 消耗品が多くメンテナンス性に欠けます。
  • フロートへの固形物の堆積による誤差があります。
  • 防波管内で利用する場合、付着の影響でフロートの動きが悪くなり誤作動の可能性があります。

フロート式水位計 原理

4.ガイドロープ式レベル計


原理

ガイドロープ式レベル計は、タンク天井からタンク内へ垂らしたローブに沿ってマイクロ波パルスが発信され、測定物から反射したマイクロ波がセンサに戻るまでの時間を測定し空尺距離に換算しています。

特長

  • 非接触式の超音波やマイクロ波レベル計のように放射角がなく狭い箇所への設置に向いています。

短所

  • プローブ部への付着が酷いと、誤計測する可能性があります。
  • ワイヤのキンクや素線切れ、付着が発生するとノイズの反射が発生し誤計測しやすくなります。
  • 液中に汚れや浮遊物・結晶化成分があると次第にプローブへの付着が成長し、間違った反射波の発生につながります。この結果、正しい反射波を検出できず誤計測し、気づかないうちにタンクを空にしてしまうなどの事象につながる危険があります。

ガイドロープ式 原理

5.静電容量式レベル計


原理

静電容量式レベル計は静電容量式レベルメータと呼ばれることもあります。タンク天井からタンク内へ垂らしたプローブ電極とタンク壁でコンデンサを形成しています。電極間に測定物が入るとその量に比例して静電容量が変化。これをを計測し貯蔵レベルに換算します。

特長

  • 狭い場所での計測に向いています。

短所

  • 接触式のため異物混入の可能性があります。
  • タンクを空にして、ゼロ調整をする必要があります。
  • 比誘電率が変化する測定物は誤差が生じます。

静電容量式レベル計 原理

6.圧力式レベル計(投げ込み式水位計)


原理

圧力式レベル計(投げ込み式水位計)は、液位による液圧の変化をダイヤフラムが捉え貯蔵レベルに換算します。
ただし、タンク内圧力が大気圧という条件での利用となります。

特長

  • 設置スペースが狭い場所にも取り付けやすい。

短所

  • 液中に気泡が多いと圧力にムラができて精度が悪くなります。
  • 付着や固形物の沈降が多いと精度が悪くなります。
  • 液体の比重により液圧が変わる場合、合わせ込みが必要です。
  • メンテナンスする場合はタンクを空にする必要があります。
  • 河川などの水位計測で利用する場合、豪雨に伴う濁流で流された瓦礫や流木などがセンサへ衝突し故障する恐れがあります。

圧力式レベル計 原理

7.差圧式レベル計


差圧式レベル計

特長

差圧計は、液圧を計測するダイヤフラムの他にタンク内圧を計測するダイヤフラムの2つで構成されます。
液圧からタンク内圧を差し引くことで貯蔵レベルを算出します。

特長

  • タンク内の圧力変化の影響を受けず測定できます。

短所

  • 中に気泡が多いと圧力にムラができて精度が悪くなります。
  • 付着や固形物の沈降など多いと精度が悪くなります。
  • 液体の比重により液圧が変わる場合、合わせ込みが必要です。
  • メンテナンスする場合はタンクを空にする必要があります。

差圧式レベル計 原理

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